HIGHESTの皆さん、こんにちは!
本日は大学入試制度の変化についてのお話しです。
長らく大学入試にはAO入試を始めとする「推薦制度」がありました。
AO入試といえば、率先して導入した慶應大学のように、学力も意欲も高い生徒が入学する新しい形の入試と思われていました。しかし、それはあくまで偏差値の高い大学での話です……
そうでない大学に関しては、一般入試や推薦入試で受からない生徒の抜け道としてAO入試が悪用されていたのです。
「浪人させるくらいならAO入試で受かる大学に合格させた方がいいだろう」という進路指導をしていた高校も少なからず存在しました。高校側にしてみれば、大学合格実績にもなるし、受験生側も「浪人するくらいなら」ということで、お互い利害が一致したということです。
このように、当初は過度に学力検査に偏ってはいけないという理念が、「学力検査なし」で入学を許してしまうザル入試として悪用されてしまったというわけです。
しかし、学力検査が全くないということで、基礎学力が不十分なのに大学に合格するという実態を放置するわけにはいきません。
そこで、入試改革が行われたのです。
・総合型選抜(旧AO入試)
・学校推薦型選抜(旧指定校推薦、公募推薦)
・一般選抜(旧一般入試)
入試と呼ばず「選抜」という名称が付けられているのには、それなりに理由があります。
実際、ここ数年、以前はほぼ100%に近かったAO入試の合格率が、最近では10~30%程度まで絞られているところがほとんどです。今後、学校推薦型選抜でも学力検査を課すところは増えていくでしょう。
大学入試センター試験が「大学入学共通テスト」に変わったことは、広く報道されてよく知られるようになりました。その裏で、いわゆる推薦型の入試も、基礎的な学力を身につけているかどうかを見極める「選抜」へと変わろうとしているのです。