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2021.10.02

修身教授録 第1部 第9講 『読書』

皆さんこんにちは、イオン千葉NT教室の立石です。

今回は読書の意義について皆さんにお話しします。

 

修身教授録にて、著者の森信三先生は読書を「心の養分」という端的な表現で繰り返していますが、要約すると

「読書は人生において重大で、体験も読書に照らして血肉となる。学問・修養も読書抜きではとうてい考えられない」ということになります。

 

そこで、読書の意義について皆さんにより分かりやすく伝えるべく、大きく2つのポイントに分けてお話しします。

 

①読書の効用

人は読書をしなくなったら、それは瀕死の病人が食欲をなくしたことと同じで、肉体は生きていても精神は死にゆく証拠です。

将来ひとかどの人物になって活躍・大成しようと思うなら、今日から遠大な目的を持って大いに書物を読むべきでしょう。

というのも、一人の人間の持つ世界の広さ深さは、その人の読書の広さと深さに比例すると言って良いからです。

すなわち、私たちが将来何らかの事に当たって必要の生じた場合、少なくともそれを処理する立場においては、自身がかつて読んだ書物の中にその示唆の求められる場合が少なくないでしょう。

 

②学びのポイント

先述の通り、本書では読書の大切さが繰り返し述べられていますが、ここでは読書の効用として「人のキャパシティを広げ、深めること」と「何らかの事象に対して、どう対処するかの示唆が得られること」の2点が挙げられています。

言い換えれば目の前の事象が物事全体の中でどのように位置付けられるかを判断し、それに正しく対応する能力が身につく」ということになるでしょう。これが読書の効用です。

タイムリーな話題として、ここでは台風を例に挙げてみます。

以下の図は、ある人が実際に経験したことのある台風の中心気圧と最大風速を表しているものとします。

つまり、この人は過去4つの台風について情報を持っているということになります。

ここで、来週にこれまで経験したことがない気圧と風速を持った台風が、日本に上陸するという予報が出たと仮定します(★)。この人にとっては未曾有の台風で、「想定外の被害が出るかもしれない」と考えることになります。

一方で、もしこの人がこの青色●の台風と別に次の図にある赤色●の台風も過去に経験し、その際被害が出なかったことを知っていたらどうなるのでしょうか。

 

 

この赤色の台風も考慮すれば、座標軸は変化することになります。

では、まず何が変化するのでしょうか。

1つ目は最大値と最小値

自分が知っているより風速が大きいor小さい台風があり、それでも被害は出ないことが分かります。これは「思考の幅が広がる」ということを意味します。

 

2つ目は平均値

赤色の台風を知ったことで平均値が変化した。これはすなわち、『何が「普通」なのか、何が「中庸」なのか』を正しく認識することに繋がります。

 

3つ目は分散値、統計学で言えばシグマです。

「ある物事がどのくらいの頻度や確率で発生するか」という情報も変化します。

すなわち、『読書を通じて自分の座標軸を広げておけば、「物事を相対化し正しく対処する知性」が身につく』ということになります。

ちなみに、オーストリアの現代経営学者ピーター・ドラッカーは著書『プロフェッショナルの条件』の中で

『ゼネラリストについての意味ある唯一の定義は、「自らの知識を、知識の全領域に正しく位置付けられる人」』と述べています。

 

以上総括しますと、読書は

「自身の座標空間を広げ深められ、客観的にも判断して対処する力が鍛えられる」

となります。

日々益々秋めいてきているこの時期ですが、「読書の秋」という世間の風潮とは別に、自身を鍛えるためにも読書は欠かせないものになりましょう。

 

今回も駄文となりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。

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